離婚をする際、大きな問題となるのが購入したマイホームをどうするかです。
財産分与はどうなるか
返済中の住宅ローンはどうなるか
連帯保証人・連帯債務者から外れたいなど
頭を悩ますことが多いものです。
離婚の際の購入したマイホームの選択肢は多数ありますが、
ここでは一般的に多い【3つの選択肢】として
①売却せず夫が住宅ローンを払い、夫が所持を続けるケース
②売却せず夫が住宅ローンを払い、妻が住み続けるケース
③離婚までに売却してしまうケース
その他【質問事項】として
・妻側の連帯保証人・連帯債務者は外せるの?
・売却時の住宅ローン残債を払えない場合は?
これらのケースと質問をもとに離婚と住宅ローンをご説明していきたいと思っております。
①売却せず夫が住宅ローンを払い、夫が所持を続けるケース
■ 自宅の名義も住宅ローンの主債務も、夫側の場合
離婚をする場合の財産分与は、
原則として公平1:1に行われなければなりません。
よって夫側の名義とはいえ、自宅不動産は夫婦の共有財産となる為、
財産分与の対象となります。
この場合は、自宅不動産の時価から住宅ローン残高を差し引いた額を
財産分与の対象と考えるのが通常です。
自宅不動産の時価(※1)-住宅ローン残高(※2)=財産分与の対象
(※1)「自宅不動産の時価」とは、現在の市場価格のことをいいます。
不動産業者より【査定書】を作成していただき、現在の市場価格が把握できます。
(※2)「住宅ローン残高」は、金融機関からご自宅に届いている【返済予定表】にて現在の借入残高が把握できます。
紛失している場合は、借入先の金融機関に取り寄せができます。
例えば自宅不動産の時価が2,000万円で、住宅ローン残高が1,600万の場合、
差し引いた400万が財産分与の対象となり、
妻側の取り分2分の1(200万)を夫側が現金などで工面することになります。
妻側は夫側に200万請求することができます。
ただし差し引いた額がマイナスの場合は、負の財産として、
売却時の住宅ローン残債も財産分与の対象となり、妻側も負担しなければなりません。
②売却せず夫が住宅ローンを払い、妻が住み続けるケース
■ 自宅の名義も住宅ローンの主債務も、夫側の場合
住宅ローンは夫側を支払い続け、妻側が住み続ける方法です。
この場合、夫側に十分な資力があれば別ですが、
夫側は住宅ローン返済に加えて、子供への養育費があれば支払いが始まり、
新たに部屋を借りる場合は家賃が発生する為、経済的負担を強いられます。
また夫側が再婚をした場合は扶養家族が増え、ますます経済的負担を強いられる可能性があります。
もちろん夫側がきちんと将来に渡って住宅ローンの支払いを続けてくれば、
妻側は何ら問題なく住み続けることは可能ですが、
問題となるのは、夫側が住宅ローンの支払いを滞った場合です。
最悪の場合、競売となり自宅を転居せざるを得なくなります。
この他、妻側が連帯保証人、連帯債務者になっていた場合は、
住宅ローンの返済義務も生じてきます。
このケースでは離婚後も夫側名義の家に妻側が住み続けるという点から、
妻側は将来に渡りリスクがあることを覚悟しなければなりません。
③離婚までに売却するケース
離婚の際の住宅ローンの解決方法としては、最もシンプルで合理化な方法です。
自宅不動産を売却し、その売却代金から残っている住宅ローン債務を返済して、
余ったお金が夫婦の財産分与の対象です。
自宅不動産の売却額-住宅ローン残高=財産分与の対象
自宅不動産の売却額から住宅ローン残高を差し引いた額が
財産分与の対象となり、公平1:1の原則から夫婦で2分の1ずつ分け合うことになります。
ただ差し引いた額がマイナスの場合は負の財産として、
売却時の住宅ローン残債も財産分与の対象となり、妻側も負担しなければなりません。
しかし、一般的に妻の方が夫よりも収入が少ない為、
新たに負債を抱えて生活を始めるのは大変です。
この場合、収入の多い夫側に負債を多く負担してもらえるよう交渉が必要と思えます。
妻側の連帯保証人・連帯債務者は外せるの?
住宅ローンを抱えての離婚の場合に問題となるのが、
妻側が連帯保証人となっているケースです。
住宅ローンは、金融機関と申込人との間で交わされた契約です。
この為、金融機関の承諾なしに簡単に名義を変えたり、
連帯保証人・連帯債務者を外したりしすることは出来ません。
いくら離婚しているといっても、
夫側が将来的に住宅ローンの返済を滞納すると、
連帯保証人に一括返済の義務が発生します。
ただ、妻側がどうしても離婚に伴い住宅ローンの連帯保証人から抜けたい場合は、
妻側に代わる連帯保証人を用意することが出来たり、
夫側の所得が以前よりも一定以上増えていることなどで、
金融機関と交渉の上、連帯保証人から抜けられる可能性があります。
ただ上記の連帯保証人とは違い、
連帯債務者の場合は、抜けることは非常に困難です。
連帯債務者の場合は、夫と妻の債務者としての立場は対等です。
つまり夫と同様に妻自身も住宅ローンを借りているからです。
残されている方法としては、
夫側単独で【連帯債務者なし】で住宅ローン融資をしてくれる別の金融機関に、
住宅ローンを借り換えすることが考えられます。
ただ年収などの資力や物件の担保力次第となります。
このように妻側が連帯保証人や連帯債務者になっている場合は、同時に返済義務の責任が生じます。
その為、簡単に外したりしすることが出来ないことをご理解ください。
売却時の住宅ローン残債を払えない場合は?
売却時の住宅ローン残債を完済できない場合、円滑に自宅の売却が難しくなります。
実際問題としまして、自宅不動産を売却して住宅ローンが残る場合は、
売る時に全て返済しないと銀行は抵当権を外してくれません。
そこで住宅ローン残債を自己資金で工面できない場合、
自宅不動産の売却を円滑に進めるため、
債権者である銀行の協力・同意を得て進める、
任意売却とは、自宅不動産の売却の際、
債権者側と協議をし合意を得ることで、
売却時の住宅ローン残債が残ったままでも
抵当権を外してもらい、円滑に売却を行うことができる方法です。
尚、任意売却の利用においては、メリットだけでなくデメリットもあります。
また住宅ローンの支払いが遅れていない状況においては、任意売却での売却を認めていただきません。
》任意売却
これにより売却時の住宅ローン残債も、
無担保ローンとして債権者と交渉の上、
毎月無理のない返済額で完済を目指すことができ、生活再建の道が開けます。
任意売却の結果⇒住宅ローン残債が残る【無担保ローン】
尚、任意売却を行うにあたっては、所有者自らの意思を前提に、
債権者である金融機関の同意を得るのが原則となります。
そして債権者である金融機関が認める金額で、
不動産物件を購入してくれる人を見つける必要があります。
以上が、離婚時の住宅ローンについてまとめた内容になります。
ご参考にしていただければ幸いです。
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